モニタリングの紹介

サンマやサケ、スケトウダラが多く漁獲される北海道から東北沖の水域は我が国の最も重要な漁場の一つです。水産総合研究センターではこの水域の環境を継続的に調査することを目的として、1987年にこの水域にモニタリング定線 ・Aラインを設置し現在まで観測を行っています。Aラインという名称は、モニタリング定線は始点となる観測点に近い厚岸市に因んで名付けられました。モニタリングは北海道区水産研究所によって開始されましたが、2002年からは東北区水産研究所も加わり現在まで共同で観測を行っています。通常行っているのは水温・塩分、化学成分、植物・動物プランクトンの観測ですが、必要に応じて鉄等の微量元素の測定や中深層性魚類(ハダカイワシ類等)なども観測しています。

水産資源や海洋生態系の変動には地球規模の気候変動が大きく関わっていることが近年の研究から分かってきました。このような数十年スケールを超える現象を対象として研究を行うには、長いデータが必要です。Aラインで取得したデータは、水産資源や海洋生態系に対する気候変動の影響について調べる上で重要な資料として、国内だけでなく海外の研究機関からも注目され研究に活用されています。